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2004年3月の研究懇話会
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【開 催 日】2004年3月19日(金) 15:00~18:00
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【開催場所】東京工業大学百年記念館、第4会議室
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【講 師】伊藤 荘司 氏(当会会員)
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【題 目】「韓国の包装事情」
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- 韓国の生活状況
- サッカーのワールドカップ以降、景気は良くない。人口は日本の3分の1で、生活レベルは日本の50~60%である
- 住コストは日本の60%程度、車は70~80%程度であるが、ガソリンは日本の120%と高い。ただし、バス、電車などは安く、100kmで400円弱である。
- 食コストは安い。ラーメンが日本で600円が300円と半分程度で、ソウル以外の地方では1000円でかなりの夕食が食べられる。
- 韓国の包装材料
- ガラス瓶、金属缶の需要は減少が続き、紙は若干の伸び、プラスチックだけが10~30%と2桁の伸びである。
- 韓国の包装資材メーカーは日本の市場をよく研究しており、日本でヒットし、韓国でもヒットしそうな商品をすばやく開発・上市している。
- ほとんどの企業が財閥系列にあり、競争が少なく、特徴のある材料はない。特殊な材料は日本から輸入している。したがって、コストは高い。包装材のコストが日本より10%高い程度なら国産品を用いるので販売価格はこの範囲に設定する。
- 韓国の食品包装
- 韓国の食べ物は、辛いという点を除けば内容は日本とほぼ同じである。米飯パックなどの包装が伸びている。特に、電子レンジ対応の透明蒸着フイルムを用いたパウチの伸びが大きい。
- レトルト包装では、カレーがほとんどなく、ハヤシが主である。また、スナックは甘いもののみで、日本のスナックのような味の多様化はない。
- 今は業務用のパウチはないので、今後伸びてくると思われる。
- キムチは2℃で3週間漬けるものであり、専用温度の冷蔵庫がある。韓国の住まいはマンションがほとんどとなり、自宅でキムチを作ることが少なくなってきたため、4.5kg入りの市販キムチが売れている。
- 包装技術者
- ソウル大学卒業などの優秀な人材もいるが、技術者の流動は激しい。
- 日本の技術者には、日本での新素材を用いたパッケージの開発ができる技術者で、現地で指導することを期待している。
- 韓国の生活状況