• 2004年12月の研究懇話会

  • 【開 催 日】
    2004年12月10日(金) 15:00~18:00
  • 【開催場所】
    東京工業大学百年記念館、第4会議室
  • 【講  師】
    中山 秀夫 (当会会員)
  • 【題  目】
    「易開封性にみられるアクティブパッケージについて」 
  • [要旨]
  • 包装内容物を取り出す際の包装容器の開口のし易さ、つまり易開封性は、極めて重要な包装機能であり、中身を保護する包装容器の密封性と易開封性の、厳密には相反する方向をもった二つの要素を両立させてこそ優れた包装といえる。

    例えば包装食品において、製造から輸送、保管、販売のプロセスを経て消費者の手に渡るまでの商品の取り扱いで、包装容器の密封性が損なわれるようなことが決してあってはならないわけで、メーカーでは内容品の品質が十分キープできるだけの密封性の範囲内で、易開封機能を講じているのが普通である。

    ただし、顧客の満足が得られる容器の開封性能とは、メーカーが予測する以上に易開封性の方を優先させた要求になっている場合が多い。この点が密封性と易開封性が相反する要素とみられているともいえる。

    内容品を取り出す際に、開口用具に頼らず、無理のない力でスムーズに開口できることが易開封性機能であり、包装容器に対するユニバーサルデザインまたはアクセシブル・デザインの見地からも強く望まれてきている。しかしながら、あくまでも保護性を満足する密封性の保証が前提でなくてはならない。

    包装容器に易開封性機能を付与する技法としては、金属容器に対するイージーオープナー、ヒートシール軟包装袋の開口に対するイージーカット性およびプラスチック製のトレイやカップなどの半剛性容器の蓋に対するイージーピール性(易はく離性)付与がある。そこで、これらの易開封性機能にみられるアクティブパッケージングの現状と動向についてご紹介した。