• 2006年3月の研究懇話会

  • 【開 催 日】
    2006年3月24日(金) 15:30~18:00
  • 【開催場所】
    東京工業大学百年記念館、第4会議室
  • 【講  師】
    池田 得三 (当会会長)
  • 【題  目】
    「企業の利益の向上とコンサルタントの役割」
  • [要旨]
  • 企業が健全な発展をしていくためには、継続して利益を生み出せる企業構造を持つことが大切である。そのためには、それぞれの企業は自社に適している利益向上策を見出し、それを確実に実現していく行動が求められる。特に不況が続く日本においては、利益を向上させる戦略の設定が大きな問題となる。一方では、企業の直面している経営戦略上の重要な問題は、この十数年間大きな様変わりしている。今までは長年の慣行や経験で対応できることがほとんどであった。しかし、あらゆる業界、あるゆる側面で進行するグローバルな流れの中で、企業はこれまで全く直面したことのない問題に、生き残りをかけて取組まなければならなくなっている。これらの問題は、本質的に企業内部で解決せねばならないものである。企業自身が、問題の解析、解決方法の立案、解決といったプロセスをすべて自社で行えるよう企業も一部には存在している。しかし、現実には、こうした問題に十分に対応できなくなってきている場合が圧倒的に多い。このため、社外のコンサルタントに依頼するというケースが増大している。

    事情は異なるが、中国の企業も同じような状況にあると考えられる。全世界が注目する膨大な中国市場にあって、より多くの利益をあげるための正しい企業戦略を立案するには、世界各国と中国他社の技術と市場などに関する情報を収集し、客観的に解析し、自社の技術と比較・検討し、自社に最適な利益向上策を立案し、それを実行するのは理論的に可能であろうが、現実には困難と考えられる。しかも、合理化策の立案と実施は遅れれば遅れるだけ不利になるので、短期間での計画作成に際しコンサルタントの導入が必要になろう。このような情勢下での日本のコンサルテーションの実施例を参考にしながら、製造業の利益向上策について説明する。