-
2007年7月の研究懇話会
-
【開 催 日】2007年7月12日(木 ) 15:30~17:00
-
【開催場所】東京工業大学百年記念館、第4会議室
-
【講 師】亀岡 孝三郎 (当会会員)
-
【題 目】「ISO、品質と環境どちらが先か!(紙器段ボール企業の品質向上対策)」
- [概要]
-
- 「品質ISO・環境ISO、どちらに取得メリットがあるか!」
現在・〔ISO〕というと、一般的に〔品質ISO〕と〔環境ISO〕を意味しているようですが、環境管理の対象は地球環境であり、紙器段ボール企業では先ず自らの「製品品質」の向上に努力されることをお勧めします。
経営状態の厳しい中小企業では、まず〔品質ISO〕で自社の製品の品質を良くし、顧客の信頼を得るとともに、ロス品を少なくし、コストの引下げに努力することをお勧めします。
〔環境ISO〕は、コストメリットが少ないが、食品・薬品・電機などの重要顧客が環境重視の場合は同業者との差別化のため、まっ先に〔環境ISO〕を取得しなければならないこともある - 紙器段ボール業界の品質向上対策
紙器段ボール業界を専門的にコンサルタントしてきた経験から、次の留意点を守れば、〔品質ISO〕は役立つ規格である- ①(5.1)経営者は品質方針を高らかに宣言し、自ら率先してそれを実行する
- ②(5.3)品質方針には、品質マネジメントシステムの有効性の改善に対するコミットメントを入れる
- ③(5.4.1)品質目標は品質方針と整合性を取り、それぞれの部門・階層に設定する
- ④(5.6.3)経営者は品質マネジメントのレビューからアウトプットまで見届ける
- ⑤(6.2.2)要員の力量を明確にし、必要な力量への教育・訓練を行い、結果を評価する
- ⑥(7.3..1)設計・開発の計画は除外しないこと
- ⑦(7.5.2)製造プロセスの妥当性確認は、重要な要素を含むので、忠実に実行する
- ⑧(8.2.2)内部監査は重要で、時間をかけて若手を養成し、「監査技術」を高める
- ⑨(8.2.3)プロセスの監視及び測定は、適切な方法で行う
- ⑩(8.3)不適合製品の管理は、不適合品を識別し、厳格に管理する
- ⑪(8.4)データの分析は、適切なデータを収集し、分析し、効果的な改善に結びつける
- ⑫(8.5.2)是正処置は、不適合の内容確認、原因の特定、処置の必要性評価、処置の決定、記録、レビューが必要である
予防処置は、不適合の発生することを防止することになっている
- まとめ
「品質ISO」は品質管理の1つのツールにすぎないが、その規格の中には本当に役立つ内容が多い。品質向上により、顧客からの評価が高まり、売上と利益の増加に貢献できる
- 「品質ISO・環境ISO、どちらに取得メリットがあるか!」