• 2012年3月の研究懇話会

  • 【開 催 日】
    2012年3月16日(金 ) 15:30~17:00
  • 【開催場所】
    東工大蔵前会館
  • 【講  師】
    菱沼 一夫(当会員)
  • 【題  目】
    「何故、福島第1原発は暴走したのか?-その原因の究明- 」
  • 「概要」
  • 東日本大震災に連動して起こった福島第1原発の暴走は『不幸中の不幸』となった人災である。

    4基の原発がほぼ同様な経過を示して、再現性のある暴発に至った。共通する直接的原因は冷却機能の喪失であったが、大地震の衝撃による構造物の破壊が主たる原因ではなかった。

    安全設備は機能状態にあったのにも係わらず、取り返しのつかない大事故に結びついたのは、政府や電力会社が構築した“安全神話”の自縄自縛と不具合指摘の組織的な隠蔽による自動非常冷却の正常的な作動を妨げていたことにある。 もしベントが正常(自力動作)に行われていたらメルトダウンは起きても小規模の空焚き災害で抑えられた筈である。既に2010年代には“安全神話”は崩壊していたので、廃炉の決断が必要であったことが推察できる。そのマネージメントのなかったことが重ね重ね悔しいと言える。

    しかし、最大の暴走原因は過度の「浪費」と「娯楽」を求めて、その政治と経営を容認してきた我々1人1人にあることを自覚したい。そして今後のエネルギー問題の熟考の一端にしたい。

    筆者は公表された200点以上の情報と調査を幣所の “複合起因解析”に懸けて、その発生原因のメカニズム解析を行った。その内容と結果を提示する。


    以上