• 2013年10月の研究懇話会

  • 【開 催 日】
    2013年10月10 日(木 ) 15:00~17:00
  • 【開催場所】
    東工大蔵前会館
  • 【講  師】
    小山 武夫(当会会員)
  • 【題  目】
    「出版業界の現状と課題について」
  • 「概要」
  • 出版業の現状と今後の課題について報告する。

    • 出版業界の問題点
      1. 出版物の売上は、長期低落傾向
        1996年の2兆6,500億円をピークに対前年比3%減で推移
        2009年には、1988年以来の2兆円割れとなり、低落傾向は続いている
      2. 新刊点数は増え続け、新刊の洪水
        新刊点数が増加しないと、売上が上がらない仕組み
        再販制度と委託制度がこの傾向を増長させている
        返本率は40%程度から減少せず,出版物の廃棄が増加している
      3. 出版物の「陳腐化」と「消費財化」
        軽い出版物」の増加で、「重厚な本」が減少
        「読みたい本」や「取っておきたい本」がなくなってきている
        もう、読みたい本がない状況
    • 電子書籍の今後
      1. 電子書籍は期待されたほどは伸びていない
        電子書籍の書籍に占める割合は、2013年3.8%、2012年/2011年3.3%と期待ほどは伸びていない。
        米国は、2011年17%から2012年25%に急増したが、数字は業界の政策的な面が強くこの半分程度と言われている。日本では、読書習慣の違いなどから20%程度が限界になろう。
      2. 出版物と電子書籍の共存
        電子書籍は、入手の容易さ、持ち運びの便利さなど多くの利点があるが、文字よりは画像のイメージが強く、人間が思索するうえでは出版物は不可欠との報告もある。
        コスト面の問題があるが、出版物と電子書籍は、今後も共存することになる。


      以上