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2014年2月の研究懇話会
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【開 催 日】2014年2月7 日(金 ) 15:00~17:00
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【開催場所】東工大蔵前会館
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【講 師】鹿毛 剛(当会会員)
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【題 目】「ビールのプラスチック通い箱(P箱)の生い立ちとその後」
- 「概要」
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- ⑴ ノーベル化学賞と石油化学の幕開け
- − 1963年、ZieglerとNattaは、PE・PPの重合触媒でノーベル賞受賞
- − 国内では1958年三井石化の高密度ポリエチレンの国産化が始まる
- ⑵ ビールの木の桟箱からプラスチック化良い箱へ
- − 1959年、ヘキストのP箱が国際見本市で展示される
- − 1964年、明治ゴム化成と三菱商事はP箱をキリンに提案
- ⑶ ビール工場での包装、物流の改善 -P箱の必要性-
- − 1962年、キリン名古屋工場を建設、木の桟箱のトラブル多発、
- ⑷ 三井石化のHDPE樹脂
- − 1965年、明治ゴムは三石のHDPEを使い、1,000箱/月のP箱を清算
- ⑸ 三菱油化のPPブロックコポリマーの開発
- − 1959年、iPP/HDPE/EPMの三元アロイ合成、BC-8を開発、1965年上市
- ⑹ P箱の耐久性
- − 耐候性評価に苦労しつつ、5年保証を達成した
- ⑺ 三井石化と三菱油化のその後
- − 三石のプライムポリマーHi-ZEX2208J、コンテナー、パレット、化粧品容器、工業用容器で使用
- − 三菱油化のノバテックBC8は現在も活躍、コンテナー、パレット、自動車内用途、洗濯機部品、バッテリーケースで使用
- ⑻ ビールP箱の導入と今後
- − 1966年、横浜、川崎の市場テストを経て、神奈川県全域に出荷
1971年、全品種のP箱化を達成 - − 静電防止対策として静電防止グレードを開発
- − P箱は導入10年で約1億箱に到達、10年で強度劣化、外観劣化は100万箱
- − 廃棄P箱の行方は、再生使用
1981年、P箱粉砕品を原料とするPパレットを試作、性能に問題なし、
- − 1966年、横浜、川崎の市場テストを経て、神奈川県全域に出荷
以上 - ⑴ ノーベル化学賞と石油化学の幕開け