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2015年6月の研究懇話会
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【開 催 日】2015年6月10日(水 ) 15:00~17:00
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【開催場所】東工大蔵前会館
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【講 師】杉崎 喬(当会会員)
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【題 目】「高分子材料物性の測定と活用」
- [概要]
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1920年代にシュタウディンガーが高分子化合物の存在を明らかにしてから,約1世紀になるが,その後の高分子科学の進歩には著しいものがあり,今日では我々の周りには色々なプラスチック製品が溢れている。高分子の1種であるプラスチックには大きくは熱硬化正樹脂と熱可塑性樹脂に分けられる。これらに違いについては構造面から説明する。
熱可塑性樹脂には結晶性のものと非晶性のものがあるがこれらのプラスチックの物性の違いについても概要を説明する。
次に本講ではプラスチックの歴史から始まって,高分子の構造と機能発現の概要、高分子の種類、用途等あらゆる分野で使用されているプラスチックの種類と物性(項目と測定法の概要および用途)の基礎的な部分について説明する。
現在合成高分子と言われるものには、繊維、合成樹脂(プラスチック)、エラストマーよ呼ばれるものが存在するが、それらの分子構造の違いと機能について概説する。
今日、プラスチックは包装産業のみならず、自動車、航空機、機械部品,電気電子、建材,機械部品,等あらゆる分野で使用されている。2012年の我が国の生産量か全体で約1,500万トンであり、そのうち五大汎用樹脂と呼ばれるプラスチック(LDPE,HDPE,PVC,PS,PP)は1,000万トンである。
プラスチックにはこの他にエンジニアリングプラスチック,スーパーエンジニアリングプラスチック呼ばれるものがある。また,液晶とエラスストマーについても説明したい。
本講が今後の日本の高分子産業に寄与できれば幸いである。
以上