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2018年6月の研究懇話会
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【開 催 日】2018年6月6日(水 ) 15:00~17:00
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【開催場所】カナガワ労働プラザ 会議室
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【講 師】菱沼 一夫 (当会会員)
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【題 目】「技術コンサルタントは公的規格の保障(Validation)事項と旧来の≪De facto standard:D.F.S.≫を検証して、懸案をどう保証(Guarantee)するか?」
- 「概要」
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JISの認証企業の保障値の改ざん、品質保証マニュアルの(都合的)改変が頻発して、日本の工業力の信頼性を根幹から揺るがす事件が発覚している。
当事者の倫理感、遵守性、マニュアルの不履行の問題として捉えられているが、公的規格や業界常識(De facto standard)の未検証の転用、「皆で渡れば怖くない」等の横行等が根本的な課題であろう。
顧客のコンサルティング依頼は≪保障≫の解説ではなく≪保証≫(技術)を求めている。顧客は当該課題の≪保障≫レベルの誤認の検証、必要な新規な≪D.F.S.≫の開発/提供を期待している。不適格なコンサルティングは≪事件≫と同様の過ちを犯すことになる。
不可能と学際から言われていたヒートシール面の「密封」と「易開封」を複合的に達成した“一条シール”の開発経過を参照して、包装の基幹技術である熱接着(ヒートシール技法)の実態と業界常識≪旧D.F.S.≫の詳細検討を事例にして課題の改革を提案する。
≪ヒートシール技法の基本原理≫
- ① プラスチック材の熱接着面を加圧によって、190nm以下の環境に置き、
- ② 数秒以内の消音加熱によって接着面の構成分子を活性化する
- ③ 接着対面の分子間に入効力が発生する
- ④ 加圧状態で冷却すると結晶化が抑制され、接着面に加圧圧力が残留し、熱接着力が完成する
- ⑤ 過熱が溶融温度(Tm)以上になると、モールド状態になり、接着対面は融合する
以上