• 2022年8月の研究懇話会

  • 【開 催 日】
    2022年8月4日(木) 15:00~17:00
  • 【開催場所】
    ZOOM会議
  • 【講  師】
    住本 充弘(当会会員)
  • 【題  目】
    「注目される循環型ポリマーの現状と今後」
  • 「概要」
    • 循環型ポリマーの主な内容
      1. ①包装設計時点での配慮事項、reverse engineering
      2. ②ケミカルリサイクル及びメカニカルリサイクルの国内外の状況、
      3. ③国内外のCircular Polymers(再生材料、certified resins)の利用事例
      4. ④石油ベース、certified resins, bio-based polymersの利用関係の考察、
      5. ⑤Certified resinsの安全衛生性へのFDA,EFSAの対応と登録された樹脂の事例等について説明致します。
      6. その他さまざまな用途に応じたラベルシステムの説明があった。
    • 包装の主なトレンド
      • 2015年のパラダイムシフト以来、経済活動の考え方が大きく変化。
      • 特に地球環境保護の面、①地球資源の節約、②温暖化防止対応から脱炭素志向、省エネルギーとなった。
      • 包装においてもSDGs 対応から全ての材料の パッケージは基本的に循環型パッケージ へと変化してきている。
      • 特にプラスチック材料は、使用後は回収して再生再利用する方向であり、焼却、使い捨ては原則不可である。
      • 石油由来のプラスチックの使用量を削減し、回収プラスチックを原料とした certified circular polymers の使用量が次第に増加し( 配合量 30 %以上 )、足りない量はbio based polymers で補給する構図となるだろう。
      • 機能性は重要なファクターであり、環境対応を考慮した機能性包装が重要である。特にスマホを活用する connected package の伸び。
      • 適正数量の製造については、これからのコンバーティングには必須の課題であり、 循環型 polymers の 量的・グレード的な供給体制、コストパフォーマンスが課題となる。
    • 循環型ポリマーのまとめ
      • パッケージ産業はライフスタイル、社会基盤の変化に対応し先端技術を取り入れ消費者・使用者ニーズ及び社会課題を解決することが基本。成熟産業だが 革新への挑戦 から新しい包装が出現する 。
      • トレンド、予兆を読み取る力量が必要である。
      • SDGs対応は多種多様であるが、 社会課題に役立つ包装の開発を絶えず心掛ける。
      • 従来技術の改善も必要であるが、軟包材の回収・再生再利用への注力や新しい包装の開発も必要である。石油由来材料の包材の回収及び原料として再利用の Loop,Circular Packaging の実施、再生可能原材料由来の Bio Polymers の活用及び再生再利用。
      • 特にプラスチック製の包装、容器、トレイ、軟包装は他の素材と同じように再生再利用を促進 しなければならない。
      • Circular Packagingは、包装材料だけでなく、装置、充填機械、システムにも言えることである。 修理・改良できる設計が必要である。
      • 全体としての考えは、Sustainable Packaging であり、必要に応じ Life Cycle Assessment(LCA) を参照すべきであるが、結果は配慮して検討すべきである。
      • 日本の包装産業はものつくりに優れている。これにソフト面を強化することによりさらに発展する。
      • 自社開発だけでなく、他社との Collaboration で新しい包装を開発できる。
      • 技術及びソフト面でも、Smart Packaging にも開発力を注がなくてはいけない。スマホの利用 がこれからは必要である。
      • 包装の供給面では、必要な数量の製造体制の確立、廃棄包材の削減を徹底すること。
      • CircularPackaging を目指して業界が結束し活動するところに明るい包装産業の未来がある。
      • 各自が自主的に活動 することにより、包装産業は成長できる。
      • 軟包装材料の再生再利用技術は、世界でもまだ確立されていないが、日本は容リ法があり、回収しやすいシステムがある。
      • 出来るだけ排出の段階である程度素材ごとに分類しておくことが後工程での選別や選別品の品質保持が可能となる。
      • 回収品は必ず選別作業が必要であり、バール化して次の工程に供給されることになるだろう。
      • いずれかのケミカルリサイクル、メカニカルリサイクルを行うにしても、ある程度素材ごとに分類されたバールを利用する方向になると思う。
      • 国全体として、世界の動きをみながら、消費者も当然巻き込んだ形で軟包装材料のみならずその他の包装材料も再生再利用を促進することが必要である。


    以上